木のはなし

健康で長生きできる木の環境

木の内装の部屋 健康や長寿には多くの人たちが関心を持っています。しかし、木と私たちの関係を見ていくと、身近に木の環境があることが健康で長生きの秘訣、そんな気もしてきます。
 私たちと木との関係には分からないこともたくさんありますが、家具や内装など興味のあるところから生活に取り入れてみると意外な効果を得られるかもしれません。

健康でいられる木の空間

 抵抗力や体力の弱っているお年よりは、ちょっと転んだり、風邪をこじらせたりしても大事になりかねません。
 ある老人ホームで、ケガや心身の不調について調べてみると、施設に木材が多く使われている場合の方が、インフルエンザや骨折、不眠などの発生率が低いという結果が出ました。また、病原菌などをよせつけない素材ということで内装を木質化する病院もあるそうです。
 高齢化社会を迎え、人の身体にやさしい木材を使った住環境づくりが求められるのではないでしょうか。

人も木に囲まれて生活すれば長生きできる

 マウスを使った実験では、木製の飼育箱で生活するマウスの生存率が、金属やコンクリートの飼育箱より生存率が高い結果が出ています。体重の変化を見ても同様です。人間で実験するわけにはいきませんが、ある調査で興味深い報告がありました。西日本の女性を対象とした調査で、木造住宅の比率の高い地域ほど乳癌による死亡率が低い傾向が見られるというのです。木造住宅に住む人の方が長生きできるのかもしれません。

リラックスできる空間はやっぱり木がいい?

 木に含まれる成分には私たちを落ち着かせる効果があるようです。森林浴はみなさんもご存知でしょうが、実際にその主な成分といわれているフィトンチッドを使った実験でも血圧が下がり、脈拍も落ち着く実験結果がでています。ストレスの多い現代人には、リラックスできる木のある空間がよさそうですね。

ぜん息やアレルギー性皮膚炎などに効果のある、清潔な空間に一役買います

 近年、問題になっているアレルギー性皮膚炎などの原因の一つにダニがあげられています。ある実験報告では、集合住宅の床をカーペットからナラ材など木製に替えるとダニの数が減少したというのがありました。木材の使用により調湿された結果乾燥したことや、隠れ場所になるような隙間がなくなったことでダニが生きて行くには厳しい条件になったからだと言われています。また、木の香りにはダニを寄せつけない効果もあります。

財団法人日本木材総合情報センター”人と環境にやさしい木のはなし”より