日本人の歴史と木のはなし
日本人の歴史と文化は木を利用してきた歴史と文化と言っても過言ではないでしょう。
縄文時代、弥生時代から古代、中世、近世、近代、そして現代に至るまで、木は様々なかたちで私たちの生活に関わってきました。
生活の基盤となる住宅、生活道具、工芸品など、それぞれの時代の生活文化や生活様式を代表するものの多くが木製だったといってもいいでしょう。
古代から木を熟知していた日本人
日本人が、縄文時代の頃から木の種類や性質を使い分けて上手に利用していたことが、日本各地で掘り出される遺跡などから分かっています。
例えば、木を切り倒すための石斧の柄にはヤブツバキなどの堅い木、狩りに使う弓には固くてしなるカシの木、木の器には削りやすいトチノキ、住居の材料にはカシやヒノキ、クリ、シイなどが使われていました。目的によってまさに適材適所使われていたのです。
日本人と木の文化について
三内丸山遺跡や登呂遺跡などの古代の集落、歴史的な大型木造建築物が今でも多く残る平城京や平安京の都、それ以降の城や城下町などの町づくりはまさに木材加工技術の変遷の歴史ともいえるでしょう。遺跡や歴史的な木造建築物は当時の木の文化を今に伝えています。
また、そうした歴史の表舞台には出ない庶民生活の中の木を使う文化も、農耕具や家具などの生活道具、工芸やクラフト製品などで生かされ、さまざまな日常生活の場面でいまに伝えられています。